2009,02,04, Wednesday
測量野帳の記録を読み返す楽しみ、メモは将来の自分へのメッセージ
僕にとって測量野帳は、山岳取材の現場で活躍する仕事道具ですが、春に向かって山歩き教室のプランを練ったり、原稿執筆が忙しくなるこの時期は、もっぱらデスクで読み返すことが多くなります。

テーマの決まっている原稿は、その取材記録だけを読み返せばいいのですが、山歩き教室のコース計画などの場合は、地図を開きながら、いくつもの記録を読み返します。すると、ついつい目的以外の記録まで読みふけってしまうんですね。「たまった雑誌を整理しようとしたら、記事を読んでしまって整理がはかどらない」そんな感じでしょうか。

テーマの決まっている原稿は、その取材記録だけを読み返せばいいのですが、山歩き教室のコース計画などの場合は、地図を開きながら、いくつもの記録を読み返します。すると、ついつい目的以外の記録まで読みふけってしまうんですね。「たまった雑誌を整理しようとしたら、記事を読んでしまって整理がはかどらない」そんな感じでしょうか。
取材した登山コースは、どこをどう歩いたか、たいてい覚えているのですが、測量野帳のページを開くたび、「そうそう、こんな場所があったよな」などと、取材時の印象が鮮明によみがえってきます。これが楽しい。
しかも、記録に手間取ったコースほど、感慨深いというか、「よく記録したよなぁ」と我ながら感心してしまうことがあるんですね。
岩場の続く険路でクサリにすがりながらメモ

これは、さほど書き込んだものではないのですが、これまでの取材でもっともメモを録るのに苦労した記録のひとつ。場所は、越後三山のひとつに数えられる八海山の八ツ峰です。

大小の岩峰が連なる八ツ峰は、垂直の岩場や断崖のトラバースなど19カ所ものクサリ場が連続するコース。足もとが切れ落ち、延々クサリの連なる核心部では、なかなか両手を離せる場所がなく、クサリを脇にかかえてメモを録るような場面もありました。

この八海山のコースを紹介したガイドブックには「クサリを補助にしつつも、足場を確実に選んで登下降し、腕力を消耗しないことがポイント」と記述しましたが、ほんとに腕力を消耗しそうになった取材でした。
複雑な火山地形をスケッチ風にメモ


これは関東以北の最高峰、日光白根山の山頂部を記したメモ。日光白根山の取材は、通算5回ほど、丸沼高原や菅沼登山口からの主要コースのほとんどを歩きましたが、山頂部の地形をそなれりに詳しく書けたのがこのメモ。


日光白根山の主要コースは、コース案内や指導標がよく整備され、無雪期であれば、よほどの悪天でない限り、道を誤ることはないと思います。ただ、山頂部は火口跡や小さな薙(なぎ)が入り組んでいて、地形が結構、複雑です。

このメモを記録した取材は、頂上からの360度の展望を撮影することが目的で、遠望のきく午前中の早い時間に登頂したこともあり、撮影とあわせてコースを詳細に記録。この取材でようやく、日光白根山の地形をつかんだぞ、という実感です。
延々ジグザグを刻む登山道、そのジグザグを数えてみた

これは富士山須走口(吉田口)九合目前後のメモ。登山道のカーブごとに記した番号は、ある区間で何回ジグザグを刻むかを数えたもの。もちろん取材目的はシグザグを数えることではないのですが、富士山に毎年通いはじめて10数年、いつかすべてのコースのジグザグを数えてやろうと思っていたんですね。大きな意味はないんですが。

昨夏シーズンは毎週連続で富士山に通い、吉田口をはじめ、須走口、富士宮口、御殿場口、さらに御中道、宝永火口、双子山、幕岩コースまで含めて、登下山道ともいったい何回シグザグを刻むか、ぜ〜んぶ数えてみました。ほかに山小屋の直下などにある石段を数えたりも。

ジグザグや石段を数えて、いったい何の役に立つのだろうと自分でも思ったりしますが、実際のところ、ジグザグの数はともかく、このメモが登山ガイド原稿やコースマップ制作の基礎資料のひとつとなりますので、できるだけ詳しく正確な記録がもとめられるんですね。
メモというのは、たいてい必要と思うから手帳などに書き留めておくわけですが、なかには無駄かも?と思ったメモが後で役に立つこともありますね。だからメモする時点で、今後、役立つかどうか、あまり厳密に判断しないようにしています。とりあえず書いておく、というメモもかなり多いわけですね。
これはフィールド取材で使う野帳でも、日常で使うモレスキン手帳でも同じ、書かなかったことは、おそらく記憶から消えてしまいますが、書き留めておいたことなら、いつでも読み返せるし、そこから新しいものが生まれる可能性もあります。手帳のメモとは、将来の自分へのメッセージ、そんなふうに考えています。
記事・写真の無断転載・転用は固くお断りします。
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しかも、記録に手間取ったコースほど、感慨深いというか、「よく記録したよなぁ」と我ながら感心してしまうことがあるんですね。
岩場の続く険路でクサリにすがりながらメモ

これは、さほど書き込んだものではないのですが、これまでの取材でもっともメモを録るのに苦労した記録のひとつ。場所は、越後三山のひとつに数えられる八海山の八ツ峰です。

大小の岩峰が連なる八ツ峰は、垂直の岩場や断崖のトラバースなど19カ所ものクサリ場が連続するコース。足もとが切れ落ち、延々クサリの連なる核心部では、なかなか両手を離せる場所がなく、クサリを脇にかかえてメモを録るような場面もありました。

この八海山のコースを紹介したガイドブックには「クサリを補助にしつつも、足場を確実に選んで登下降し、腕力を消耗しないことがポイント」と記述しましたが、ほんとに腕力を消耗しそうになった取材でした。
複雑な火山地形をスケッチ風にメモ


これは関東以北の最高峰、日光白根山の山頂部を記したメモ。日光白根山の取材は、通算5回ほど、丸沼高原や菅沼登山口からの主要コースのほとんどを歩きましたが、山頂部の地形をそなれりに詳しく書けたのがこのメモ。


日光白根山の主要コースは、コース案内や指導標がよく整備され、無雪期であれば、よほどの悪天でない限り、道を誤ることはないと思います。ただ、山頂部は火口跡や小さな薙(なぎ)が入り組んでいて、地形が結構、複雑です。

このメモを記録した取材は、頂上からの360度の展望を撮影することが目的で、遠望のきく午前中の早い時間に登頂したこともあり、撮影とあわせてコースを詳細に記録。この取材でようやく、日光白根山の地形をつかんだぞ、という実感です。
延々ジグザグを刻む登山道、そのジグザグを数えてみた

これは富士山須走口(吉田口)九合目前後のメモ。登山道のカーブごとに記した番号は、ある区間で何回ジグザグを刻むかを数えたもの。もちろん取材目的はシグザグを数えることではないのですが、富士山に毎年通いはじめて10数年、いつかすべてのコースのジグザグを数えてやろうと思っていたんですね。大きな意味はないんですが。

昨夏シーズンは毎週連続で富士山に通い、吉田口をはじめ、須走口、富士宮口、御殿場口、さらに御中道、宝永火口、双子山、幕岩コースまで含めて、登下山道ともいったい何回シグザグを刻むか、ぜ〜んぶ数えてみました。ほかに山小屋の直下などにある石段を数えたりも。

ジグザグや石段を数えて、いったい何の役に立つのだろうと自分でも思ったりしますが、実際のところ、ジグザグの数はともかく、このメモが登山ガイド原稿やコースマップ制作の基礎資料のひとつとなりますので、できるだけ詳しく正確な記録がもとめられるんですね。
メモというのは、たいてい必要と思うから手帳などに書き留めておくわけですが、なかには無駄かも?と思ったメモが後で役に立つこともありますね。だからメモする時点で、今後、役立つかどうか、あまり厳密に判断しないようにしています。とりあえず書いておく、というメモもかなり多いわけですね。
これはフィールド取材で使う野帳でも、日常で使うモレスキン手帳でも同じ、書かなかったことは、おそらく記憶から消えてしまいますが、書き留めておいたことなら、いつでも読み返せるし、そこから新しいものが生まれる可能性もあります。手帳のメモとは、将来の自分へのメッセージ、そんなふうに考えています。
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| 仕事術・ワークスタイル | 12:05 AM | comments (x) | trackback (0) |
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