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奥武蔵・秩父を歩く 関東平野を見晴らす歴史の山・鐘撞堂山

鐘撞堂山・羅漢山
↑戦国時代に鉢形城の見張り台が置かれた鐘撞堂山。
標高330mの低山ながら関東平野を一望する抜群の展望を楽しめる


第9回 冬の日だまりハイク 鐘撞堂山から羅漢像の並ぶ道へ

 冬型の気圧配置で乾燥した晴天が続く12月、2008年最後の「やさしいハイキング&山歩き教室」(よみうり文化センター川越)は、埼玉県寄居町の鐘撞堂山と羅漢山を訪ねました。

 鐘撞堂山は、寄居駅の北北西に横たわる丘陵状の里山で、標高わずか330mの低山ながら関東平野を見晴らす抜群の展望が魅力。寄居駅から、指導標のよく整備されたハイキングコース(ふるさと歩道)をたどって頂上まで1時間20分ほど。日の短くなる冬でも安心して歩ける初心者向けコースです。
 鐘撞堂山は、戦国時代に荒川の河岸の自然地形を利用してつくられた鉢形城の見張り台が置かれ、敵襲があると鐘を撞いて知らせたことからこの名があります。関東平野を一望する頂上は、見張り台にはまさに絶好の場所、奥武蔵・秩父の山々をはじめ、赤城山や榛名山、浅間山も望むことができます。

鐘撞堂山・羅漢山 寄居駅北口から鐘撞堂山へ
↑寄居駅北口からスタート

 起点は、東武東上線・秩父鉄道・JR八高線の寄居駅。寄居町役場のある駅北口から歩きはじめます。前方のなだらかな山並みの一角がめざす鐘撞堂山、駅北口からは「ふるさと歩道」の指導標に導かれて、まずは山麓の大正池へ向かいます。

鐘撞堂山・羅漢山 大正池手前の沿道で見つけた無人販売
↑沿道で見つけた無人販売

 国道140号を渡り、駅前の市街地をぬけると、今回も沿道で無人販売所を見つけました。出かけた先で見つける無人販売所は、ハイキングの楽しみのひとつ。無造作に並ぶ野菜や果物に季節感があり、その土地らしさを発見できます。

鐘撞堂山・羅漢山 大正池手前の沿道で見つけた無人販売
↑シイタケとギンナン、頂上で食べるミカンを買って鐘撞堂山へ

 今回は、乾燥シイタケとギンナンを自宅用に、それと頂上で食べるミカンを買いました。

鐘撞堂山・羅漢山 大正池
↑鐘撞堂山を間近に望める大正池

 民家もまばらになってくると、大正池に到着。大正天皇の即位を賀してつくられた灌漑用の人造池で、約4万トンの水をたたえています。めざす鐘撞堂山ももう間近、頂上の展望台がはっきり見えます。

鐘撞堂山・羅漢山 大正池湖畔の休憩舎
↑大正池ほとりのあずまや、最初の休憩ポイント

 大正池のほとりには、あずまやが設けられ、ここで最初の休憩。寄居駅から約30分。体が温まってきたので、防寒着を1枚脱いで出発。大正池の先で舗装道から林道へ進み、ほどなく北へ折れると山道になります。

鐘撞堂山・羅漢山
↑竹林が広がる馬騎の内、竹炭工房がある

 山道を少し登ると、中腹の竹林に包まれます。大正池に水を注ぐ天沼川の源流部にあたり、「馬騎の内」(まぎのうち)の地名が残っています。かつては2軒ほどの民家があったようですが、現在は竹炭をつくる素朴な工房と小さな耕作地があります。

鐘撞堂山・羅漢山 鐘撞堂山・羅漢山
↑写真左=竹のトンネルのような道 写真右=雑木林に入ると頂上が見えてくる

 馬騎の内から竹のトンネルのような道を登っていくと、コナラなどの広葉樹主体の雑木林に変わります。冬枯れした雑木林は、日差しが林床まで届き、思いのほか明るく、足もとは、さくさくとした落ち葉の感触が心地よいですね。

鐘撞堂山・羅漢山
↑この階段を登りきれば鐘撞堂山頂上

 やがて樹間から頂上が見えてきて、急な石段をひとがんばり登れば、鐘撞堂山頂上に到着。頂上の一角には、平成14年末に展望台が新設され、この展望台からの見晴らしが抜群。ほぼ360度のパノラマを満喫できます。頂上周辺にはサクラの木が多く、春の光景もみごとでしょう。
 鐘撞堂山へは、東麓の「ほたるの里」(深谷市)からもハイキングコースが整備され、秩父鉄道桜沢駅を起点に歩くこともできます。

鐘撞堂山・羅漢山
↑頂上の展望台からは関東平野を一望のもと

 こちらは西側の眺め、正面に陣見山、その右奥に冠雪した浅間山を望めます。方角は違いますが、裾を引いたその山容は、一瞬、富士山と見間違うかもしれません。

鐘撞堂山・羅漢山
↑西側の展望、陣見山。その右奥に浅間山

 鐘撞堂山頂上からは西麓の円良田湖(つぶらたこ)へ向かいます。登ってきた道を少し戻り、分岐の指導標にしたがって、雑木林の道を東へ下っていきます。

鐘撞堂山・羅漢山
↑鐘撞堂山頂上から円良田湖へ、雑木林の山稜を下っていく

 南へ折れると、簡易舗装の林道となり、林道をたどって小さな谷沿いをゆるやかに下っていきます。谷が開けると、円良田湖の南端に出ます。すぐ向かいに羅漢山の登り口がありますが、湖畔の車道を西へ2〜3分歩くと、円良田湖を広く見渡せる場所があります。

鐘撞堂山・羅漢山
↑小さな谷間に入り、簡易舗装の道を円良田湖の南端へ

鐘撞堂山・羅漢山 円良田湖
↑ヘラブナ釣りが盛んな円良田湖

 円良田湖は周囲約4km、昭和30年に灌漑用貯水池としてつくられ、湖畔は1000本のサクラが植栽されたお花見の名所。年間を通じてヘラブナ釣りも盛ん。今回訪れたときは湖畔のサザンカが花盛りでした。

鐘撞堂山・羅漢山
↑湖畔ではサザンカが花盛り

 円良田湖南端に戻って羅漢山へ。木段の連なる道を登ると、釈迦像の置かれた羅漢山の頂上に出ます。ここから南麓の少林寺に下る道はふたつ。ひとつは510体あまりの羅漢像が並ぶ道、もうひとつの道には千体荒神の板碑が並んでいます。

鐘撞堂山・羅漢山
↑釈迦像が置かれた羅漢山頂上

 沿道に並ぶ羅漢像は、天保年間に信徒から寄進されたもので、それぞれ表情やしぐさがユニーク。ついじっくりと見てしまいますが、ところどころ急坂や段差もあるので足もとには注意が必要です。

鐘撞堂山・羅漢山
↑沿道に並ぶ羅漢像を見ながら少林寺へ

鐘撞堂山・羅漢山
↑どれひとつとして同じ表情やしぐさのない羅漢像

 下り立った少林寺は落ち着いたたたずまい。永正8年(1511)に大洞和尚により開山されたと伝わる曹洞宗の禅寺です。

鐘撞堂山・羅漢山
↑落ち着いたたたずまいの少林寺

鐘撞堂山・羅漢山
↑境内入口にある案内図

 少林寺の境内入口には公衆トイレとハイキングコース案内図があります。少林寺からは秩父鉄道の波久礼駅へ向かいますが、近年、少林寺のすぐ南側に新しい道路ができたので、今回はその道を西へたどりました。

鐘撞堂山・羅漢山
↑ゴールの秩父鉄道波久礼駅

 円良田湖から流れる小さな川を渡り、秩父鉄道沿いの道を歩くと、ゴールの波久礼駅に到着。波久礼駅は、ツツジの名所・金尾山をはじめ、釜伏山、日本水、陣見山などへのハイキングコースの起点でもあり、「こんどはここを歩いてみたいね」と話も弾みました。


鐘撞堂山周辺マップ


よみうり文化センター川越 奥武蔵・秩父ハイキング講座
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奥武蔵・秩父ハイキング講座は、よみうり文化センター川越の会員対象の定期講座です。参加にあたっては、よみうり文化センター川越への入会が必要です。時期により体験参加もできます(お問い合わせください)。

開講日:毎月1回(土曜日開講。雨天等ハイキングに支障のある天候の場合は原則として翌週土曜日に延期。8月は休講、9月に2回実施) 
場所:奥武蔵・秩父地域(埼玉県西部)の初級ハイキングコース
集合・解散:現地集合(9時30分頃、西武池袋線・秩父線、東武東上線・越生線、秩父鉄道の駅など)・現地解散(15〜16時頃)
対象:ハイキング&山歩き初級者(健康で、日頃から散歩など軽い運動に親しんでいる方)

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問合せ・申し込み
よみうり文化センター川越 電話049-247-5000(受付時間10:00~19:30 日曜日は15:00まで、祝日は休み)

佐々木亨(山岳ライター&フォトグラファー)著書



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